
失敗しない!論理思考5つの習慣
失敗しない!論理思考5つの習慣
「また今日も会議で言いたいことが伝わらなかった…」
そんな経験、ありませんか?せっかく良いアイデアを持っているのに、上司に「で、結局何が言いたいの?」と言われてしまう。転職の面接で、論理的に話せずに不採用になる。チームメンバーに指示が伝わらず、プロジェクトが停滞する。
もしあなたが20〜40代のビジネスパーソンで、キャリアアップを目指しているなら、このような悩みは決して他人事ではないはずです。実際、論理的思考ができないと「営業先と交渉がうまくいきにくい」「コミュニケーションコストが高くて社内でも意思疎通が取れにくくなる」といったデメリットが発生しかねません。
でも大丈夫です。論理的思考は才能ではありません。
論理的思考は誰もが学び、鍛えることのできる「技術」です。実際には「型」と「習慣」の習得により、誰でも身につけられるスキルなのです。今回は、論理的思考を確実に身につけるための5つの習慣をご紹介します。
なぜ今、論理的思考が必要なのか?
変化の激しい時代を生き抜く武器
近年、ビジネス環境が激しく変化していることは多くの方が感じている通りです。将来の変化が予測しにくくなった意味を表す「VUCA」も、すっかり聞き慣れた言葉になりました。
このような環境下では、過去の成功体験だけに頼っていては通用しません。テクノロジーの進化によって、表面的な生活ではどんどん頭を使わなくなっています。しかし、だからこそ論理的に考える力が競争優位性となるのです。
トヨタとマッキンゼーの共通点
論理的思考の重要性を示す具体例として、世界的に成功している企業の実践を見てみましょう。
トヨタ自動車では現場で問題が発生した時、社員に「なぜ、それが起きたのか」を突き詰めて考え抜くことを求めます。それが「なぜなぜ5回」と呼ばれる手法です。一方、マッキンゼーでは、「なぜ、なぜ、なぜ……」を5回繰り返せという手法を使っています。
製造業とコンサルティング業という全く異なる業界でありながら、両社とも論理的思考を重視している点は非常に興味深いですね。
習慣1:結論から話す・書く癖をつける
「結論ファースト」の威力
論理的思考の第一歩は、結論を最初に述べることです。話をする時にまず結論から伝えることは、論理的思考力を身に着けるために手軽に取り入れられる方法です。
悪い例: 「昨日、顧客のA社を訪問したんですが、担当者の田中さんがいなくて、代わりに山田さんという方が出てきて、その方に説明したんですが、なんだか反応が良くなくて、それで資料を変更した方がいいかもしれないと思うんです」
良い例: 「結論から申し上げると、A社向けの提案資料を見直す必要があります。理由は3つあります。第一に…」
実践のコツ
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メールの件名:「【相談】〇〇について」ではなく「【提案】〇〇の件で△△をお願いします」
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会議での発言:「ちょっと思ったんですが…」ではなく「私の提案は〇〇です」
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日報・報告書:経過から書くのではなく、成果・結論から書く
習慣2:「なぜ?」を5回繰り返す
根本原因を見つける思考法
なぜ5分析は、原因の真因に迫る重要なプロセスで、日常生活にも役立ち、自分の分析ができます。表面的な問題に対処するのではなく、根本原因を特定することで、真の解決策を見つけることができます。
実践例:プレゼンがうまくいかない場合
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問題:プレゼンがうまくいかなかった
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なぜ?聞き手の反応が悪かった
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なぜ?内容が伝わっていなかった
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なぜ?専門用語を多用していた
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なぜ?聞き手のレベルを把握していなかった
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なぜ?事前の準備が不十分だった
→ 真の解決策:事前のヒアリングと聞き手に合わせた資料作成
仕事での活用場面
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プロジェクトの遅延分析
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営業成果が上がらない原因究明
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チームの士気低下の根本原因特定
習慣3:MECE(モレなく、ダブりなく)で情報を整理する
MECEとは何か?
MECEとは、「全体集合として、それぞれが重複することなく、モレがない状態で網羅されている」という意味です。MECEを自然と意識できるようになれば、情報整理力がぐんと増し、効率性・生産性が上がります。
MECEの活用例
顧客満足度向上の施策を考える場合:
悪い分類(モレ・ダブりあり):
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接客改善
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商品改良
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価格見直し
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クレーム対応
良い分類(MECE):
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購入前:認知度向上、情報提供改善
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購入時:接客品質向上、決済プロセス改善
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購入後:アフターサービス強化、フォローアップ改善
日常業務での実践
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To-Doリストの分類:緊急度と重要度の2軸で分類
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顧客セグメント:年齢、性別、購買行動で分類
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問題の整理:人・モノ・金・情報の4つの観点で分類
習慣4:データと事実に基づいて判断する
感情論から脱却する
仕事においては熱意や意欲なども大切な要素になりますが、ときに感情論だけで意見やアイディアをぶつけてくる人もいます。プライベートならまだしも、ビジネスシーンで感情に任せて大騒ぎする人は、当然ながら周囲から信頼を獲得しにくくなります。
効果的なデータ活用の方法
主観的な表現を避ける:
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「たくさんの顧客が」→「100人中85人の顧客が」
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「売上が大幅に増加」→「前年同期比20%増」
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「効率が改善」→「作業時間を30分短縮」
根拠となるデータを明示する:
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社内データ
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業界統計
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顧客アンケート結果
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競合他社の事例
実践のポイント
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定量的な指標を設定:「売上向上」ではなく「売上20%増」
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出典を明確にする:「〇〇調査によると」
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複数の角度から検証:1つのデータだけでなく、複数のデータで裏付ける
習慣5:相手の立場に立って伝える
論理的思考は相手のためのもの
論理的思考とは「相手の立場に立って物事を考えるための力」ともいえます。いくら論理的に考えても、相手に伝わらなければ意味がありません。
相手に合わせた伝え方
エグゼクティブ層への報告:
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結論と数値を最初に
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3つのポイントに絞る
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次のアクションを明確にする
現場スタッフへの指示:
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具体的な手順を示す
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理由も併せて説明
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質問しやすい環境を作る
顧客への提案:
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顧客の課題から始める
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ベネフィットを明確にする
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成功事例を交える
コミュニケーションの構造化
話をしている途中で、"結局自分が何を話したかったのかわからなくなってしまった"ことはありませんか?
このような状況を避けるために、以下の構造を意識しましょう:
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結論:何を伝えたいのか
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理由:なぜその結論に至ったのか
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根拠:どのような事実・データがあるのか
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アクション:次に何をすべきなのか
論理的思考がもたらす3つの変化
1. 問題解決能力の向上
論理的思考を身につけると、問題解決能力が向上します。困難にあっても、問題を細分化し、整理して分析し、自ら解決策を導き出せるようになります。
2. 説得力の向上
ロジカルシンキングから導き出した論理的な意見には、感情論に基づく説明よりも説得力が生まれやすいという利点があります。
3. 信頼感の獲得
日ごろから論理的に物事を捉え、話を組み立てて伝えることができていれば、「この人とは安心して仕事ができる」「大事な仕事も任せられそうだ」と信頼感を持たれやすくなるでしょう。
エトス・パトス・ロゴスを意識する
論理的思考を実践する際は、古代ギリシャの修辞学で重要とされた3つの要素を意識しましょう:
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エトス(信頼):話し手の信頼性・専門性
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パトス(共感):聞き手の感情への訴えかけ
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ロゴス(理屈):論理的な構成・根拠
多くの人は論理(ロゴス)だけに注目しがちですが、相手の信頼を得て、共感を得ることが、論理を受け入れてもらう前提条件なのです。
今日から始められる実践法
1. 毎日の習慣にする
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朝のニュースチェック:「この記事の主張は何か」「根拠は十分か」を考える
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会議での発言:「結論は〇〇です。理由は3つあります」で始める
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メール作成:結論を最初の1行で書く
2. フレームワークを活用する
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3C分析:Company(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)
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5W1H:Who、What、When、Where、Why、How
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PDCAサイクル:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)
3. 振り返りを行う
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週末に「今週うまく伝えられなかったことは何か」を振り返る
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成功した説明・プレゼンの要因を分析する
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改善点を次週の目標に設定する
まとめ:論理的思考は一生の武器
論理的思考は、一度身につければキャリアを通じて活用できる強力な武器です。論理的思考力は足元の仕事の生産性を上げるだけでなく、中長期的に評価され続ける「一生ものの武器」になり得るスキルなのです。
今日から始められることは:
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結論から話す習慣をつける
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「なぜ?」を5回繰り返す癖をつける
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MECEで情報を整理する
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データと事実に基づいて判断する
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相手の立場に立って伝える
これらの習慣を1つずつ、確実に身につけていきましょう。最初は意識的に行う必要がありますが、続けるうちに自然とできるようになります。そして気がつけば、あなたは周囲から「論理的で信頼できる人」として評価され、キャリアアップの道筋が見えてくるはずです。
変化の激しい時代だからこそ、論理的思考というベースとなるスキルを磨いて、確実に成果を出せるビジネスパーソンを目指していきましょう。
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著者紹介(橋本 正人)
著者は、AIの活用で企業業務(究極の生産性を追求した株式会社キーエンスでは営業、営業企画、生産管理、デジタルでの究極の生産性を追求したセールスフォースではCX、DXの専門家、執行役員営業本部長)に従事してきており、その後、独立しプロンプトの技術であるプロンプトエンジニアを取得し、生成AIを活用したさまざまな日常業務の改善による生産性向上を提案しております。
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ほのぼの画家Renくん
https://www.youtube.com/@HeartwarmingPainterRen